ビジョナリーカンパニーとは何か
「ビジョナリー・カンパニー(原題:Built to Last)」は、ジム・コリンズ(Jim Collins)とジェリー・ポラス(Jerry I. Porras)によって書かれた経営書で、永続的に成功を収める企業(ビジョナリー・カンパニー)の特徴を探る名著です。1994年に初版が出版されて以来、多くの経営者やビジネスパーソンに影響を与えています。
1ページごとで読みごたえがあるので非常にお勧めで濃密があります。ぜひ、1冊目からお読みください。
📘 概要
主な目的:
「ビジョナリー・カンパニー」は、**長期にわたって卓越した成果を出し続けている企業(ビジョナリー企業)**が、そうでない企業と何が違うのかを明らかにすることが目的です。
調査手法:
- 約6年間にわたる研究
- 米国の優良企業18社を対象(例:ウォルト・ディズニー、ジョンソン・エンド・ジョンソン、3Mなど)
- 同業界の優良ではあるが卓越性に欠ける比較企業と比較
🌟 ビジョナリー・カンパニーの特徴(キーポイント)
1. 基本理念を持ち、進化し続ける
- 変わらない**中核的価値観(Core Values)**を持つ
- しかし、戦略や慣習は時代に応じて柔軟に変化させる
- 「核心を維持し、進化を促す」という概念
会社理念や理想・目標がある会社は非常に強く、会社内部が理想が高くなっている傾向が非常に高くなっています。日本語で言うと不易流行といいます。不易はずっと変わらないものです。例えば、会社の核となる会社理念は変わりません。日本をよくしたいと思う思いが不易だと思います。
流行はルールや仕組みが変わることを言います。ダーウィンの進化論でもいうように進化するものというの(勝つもの)は力が強いものでも、知識が強いものでもありません。それは変化するものが進化するものですという言葉を残しています。この強弱を生かして会社を成長をしています。
2. 「時計を作る」、時を告げるのではない
- カリスマ的なリーダーの存在よりも、組織としてのシステムや文化を築くことが重要
創業者がカリスマ性を持っている人物は多いです。特に、ベンチャー企業の場合は創業者が社長が大半です。自分だけ利益を求めるだけでは会社は成長しません。理想や目的・目標を定めて自分だけの利益を追い求めるのではなく、周りを生かしながら生活しています。企業文化や仕組みを作ることを熱中するべきことが重要になります。
3. 利益の追求だけでなく、使命感に基づく行動
- 企業の存在意義(Purpose)を重視
- 金銭的成功はその結果としてついてくる
利益を中心に置くのではなく、何かの目標に近づくたびに後から利益はついてくる傾向になります。利益は後からついてくるイメージで取り組んでいきましょう。あくまで企業目標が中心です。
4. 大胆な目標(Big Hairy Audacious Goals – BHAGs)
- 常識では達成不可能に思えるような野心的な目標を掲げる
- 組織全体を鼓舞する力を持つ
野望的な目標とは、この本ではボーイングが例として挙がっていました。飛行機の737機を作ったときに、会社が倒産したとしても作り切るという心で全社一致として行って成功に至っています。野望的な目標とはほかの人から無理とか、ダメだといわれることが多い事案についてを工夫して取り組むことで成果が実ります。
5. 試行錯誤と進化の文化
- 一度にすべてを完璧にするのではなく、小さな実験を繰り返しながら、成果のあるものを拡大
📚 関連シリーズ
ジム・コリンズは本書以降も以下のような関連著作を出しています:
- 『ビジョナリー・カンパニー② 飛躍の法則(Good to Great)』
- 優良企業が「偉大な企業」になるための条件
- 『ビジョナリー・カンパニー③ 衰退の五段階(How the Mighty Fall)』
- 偉大な企業が失速する理由とパターン
- 『ビジョナリー・カンパニー④ 自分の意志で偉大になる(Great by Choice)』
- 不確実な時代において偉大さを保つ企業の特徴
🎯 なぜ読むべきか?
- 成長し続ける組織を作りたい経営者
- ミッション経営や組織文化の構築に関心がある人
- 一時的な成果ではなく、長期的な成功を志向するビジネスパーソンに最適
起業したい人や、成長企業の幹部社員、社長さんなどあらゆる会社を成長させたい人は読むべき本になります。本当に濃密的な本になるので少し時間はかかりますが本当に面白いですし、感動します。ぜひ、ご覧になってください。



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