現金は持ちすぎてもダメ、なさすぎても危険|個人と企業に共通するリスク管理の基本
「現金は持ちすぎてもいけないが、持たなすぎてもいけない」
このバランス感覚は、個人でも企業でも共通して重要な考え方です。
最近では、個人投資家の間で投資ブームが続き、現金をほとんど保有せず、資産の多くを株式や仮想通貨に「フルベット」しているケースも増えています。さらに、信用取引やレバレッジを活用し、自分の保有資金以上のリスクを取る人も少なくありません。
しかし、これは非常に危険です。なぜなら、こうした投資行動は自身のリスク許容度を超えてしまっている可能性が高いからです。相場が荒れた時に、冷静な判断ができずに損切りしてしまうというケースは多く見られます。
このような「現金の重要性」は、企業にも当てはまります。
企業にとっても、資金繰りができなくなると黒字であっても倒産してしまうことがあります。キャッシュフローが悪化し、資金がショートすると、冷静な経営判断ができなくなり、無理な事業や投資に手を出してしまうこともあります。その結果、企業の信用が低下し、負のスパイラルに陥ってしまうのです。
結局のところ、「現金は企業にとっても個人にとっても命綱」です。現金があれば、生活も事業も継続できます。過剰に保有しても効率は悪いですが、適度な現金比率の維持は、リスクコントロールにおいて不可欠な技術です。
とくに、大企業になればなるほど「資金が潤沢にある」と慢心し、現金の重要性を見落とすケースもあります。どれだけ立派な帳簿や利益があっても、最終的には現金で支払う必要がある。この基本を忘れてはなりません。
最後にもう一度、この言葉を。
Cash is king(キャッシュ・イズ・キング)
どんな経済環境でも、現金の価値はゼロにはなりません。たとえインフレに見舞われても、「実物としての現金」は信頼を保ち続けます。適切な現金保有によって、私たちは経済的にも精神的にも安定を得ることができるのです。



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